マカオは中国に返還されたかつてのポルトガル領ですが、現在も澳門特別行政区による自治的な統治が行われています。このためマカオでは、中国本土の家族法は適用されず、独自の法に基づいて婚姻手続きが執り行われます。
① 婚姻障害の公示
結婚当事者は、結婚前に、婚姻障害を公示する必要があります。
公示後5日以内に婚姻障害を書面で証明する者が現れないときには、結婚が許可されます。
② 父母又は監護者の許可
満18歳未満の未成年が結婚する場合には、親権を有する父母又は監護者の同意が必要です。
③ 登記官による婚姻許可
結婚を認めてよい場合には、登記官が結婚を許可します。
④ 結婚の期限
結婚登記官の結婚許可を得てから90日以内に結婚します。
比較的新しい先例として、マカオ人と日本人との創設的婚姻届けに澳門特別行政区が発行した声明書と婚姻記録をもって、
澳門特別行政府の旅券を所持する中国人が婚姻の実質的要件をすべて満たしていることの証明書として取り扱うとしたケースがあります。
行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザ